こんな私を好きになって、くれますか?
第1章:125センチの小さなお姫様
「ねえ、紬。またそれ着てるの?」
通学路の曲がり角。待ち合わせ場所にいた幼馴染の蓮が、私を見るなりジト目を向けた。
中学1年生の私(身長125cm)に対し、蓮はすでに160cm近くあって、見下ろされる形になる。
「い、いいでしょ! このパーカー、落ち着くんだもん!」
私は慌てて大きめのフードを深くかぶった。
本当は、どんな服を着ても体のラインが目立ってしまうのが怖くて、いつもこうして隠している。
周りの女子みたいに、可愛い制服の着こなしなんてできない。
子ども扱いされるか、変な目で見られるか、そのどっちかだ。
「……別に、隠さなくたって誰も変なこと思わねぇよ」
蓮はボソッとそう言うと、私の頭にポンと手を置いた。
昔からそうだ。私が縮こまっていると、この不器用な幼馴染はいつもぶっきらぼうに、でも温かく私を包み込む。
「うっさいなぁ、子ども扱いしないでよ!」
「お前が実際に子どもみたいなサイズなんだからしょうがないだろ。……ほら、行くぞ」
蓮が私の手を引いて歩き出す。
その大きな手のひらに包まれるたび、私の胸の奥がトクトクと激しく脈打つ。
(こんなにアンバランスで、かっこ悪い私のこと……蓮は、どう思ってるんだろう)
「ねえ、蓮……」
「ん?」
「……ううん、なんでもない!」
青空の下、繋がれた手の温もりがやけに心地よくて。
隠したいはずの私のすべてを、この男の子だけは「そのままの紬」として見てくれている気がした。
コンプレックスだらけの私が、初めて「このままでいたい」と思えた瞬間だった。