71歳の恋愛小説家
二カ月もすると父の置いてくれたお金で少しずつお金を残して、父親には内緒でお金を貯めることもできるようになった。

何かの空き缶に小銭を貯めて行った。

祖父も時々心配して訪ねて来てはお小遣いをくれた。

父に見つからないように、ためたお金を時々勘定するのが加奈子の小さな楽しみになった。

守銭奴ばばあみたいだなあと自分でも可笑しかったが、少しでも増えていくのがうれしかった。

その頃からお金を貯めるのが楽しみで趣味になったようだ。

いざという時に困らないようにと、食費を削ってお金を貯めた。

中学生でいざという時に困らないようにと言う発想ができるのが、加奈子の境遇ゆえだろう。

逞しい娘っ子だったのだ。

父親は月に一度お金を置くようになってから余計に帰ってこなくなった

その頃の加奈子の栄養源は学校の給食だった。

その頃には珍しく中学校なのに給食があったのだ。

だから、朝は食べて行かないで、昼は給食をお腹いっぱい食べた。

お代わりできるときは、率先してお代わりした。

でも唯一苦手なのがレーズンパンなのだった。

美味しいパンに甘酸っぱいレーズンをこれでもかという位入れてある意味が分からない。

レーズンはどうしても食べられなかったので、テイッシュにパンから一粒づつ取り出したレーズンを包んで家に帰って捨てていた。

レーズンは今でも、大の苦手だ。

そして、夕飯は卵ご飯やご飯に醤油をまぶしてかつお節をまぶした猫まんまがほとんどだった。

多分に栄養が足りていない中学校時代の加奈子は一日二食だったのもあって、すごく痩せていた。
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