別府の湯けむり、君と50年の未来
蒼生の会社訪問
蒼生が二歳になった頃。
すっかりおしゃべりが上手になり、家では毎日、可愛らしい声が響いていた。
「パパ、いってらっしゃい!」
「蒼生、行ってくるな」
「ママも!」
「はいはい。いってらっしゃい」
そんなある日、雪は蒼生を連れて遥斗の会社へ遊びに行くことになった。
「蒼生、パパのお仕事見に行こうか」
「うん! パパのおみせ!」
「会社だよ」
「かいしゃ!」
会社に着くと、社員たちが蒼生を歓迎してくれた。
「蒼生くん、大きくなったね!」
「こんにちは!」
「ちゃんと挨拶できるの、偉いね」
蒼生は嬉しそうに笑った。
しばらくすると、蒼生は社内を探検し始めた。
「あれ? パパは?」
「社長室かな?」
蒼生は小さな足で、そっと歩いていく。
そして、遥斗が仕事をしている部屋を覗いた。
ところが――。
遥斗は机の前にいなかった。
「パパ、いない」
蒼生は部屋の隅に隠れて待ってみることにした。
すると、しばらくして遥斗が戻ってきた。
手には飲み物。
「ふぅ……ちょっと休憩」
椅子に座って、スマートフォンを眺めている。
それを見ていた蒼生は、目を丸くした。
「……パパ、おしごとしてない」
そこへ佐々木が入ってきた。
「あれ? 蒼生くん、そこにいたの?」
「しーっ」
蒼生は口に指を当てる。
「パパ、ないしょ?」
「内緒なの?」
「うん」
蒼生は少し考えてから、佐々木を見上げた。
「佐々木しゃん」
「はい?」
「これ、ママに言っていいの?」
佐々木は思わず笑ってしまった。
「いいですよ」
「ほんと?」
「本当です」
蒼生は嬉しそうに頷いた。
「じゃあ、ママに言う!」
「社長、これは大変ですよ」
佐々木が笑いながら遥斗を見る。
「……蒼生、聞いてたのか?」
「うん!」
「雪には言わないでくれよ」
「ママに言う!」
「蒼生!」
会社中に、蒼生の笑い声が響いた。
二歳になった小さな息子に、早くも仕事ぶりを監視される遥斗。
社員たちは笑いながら、その微笑ましい光景を見守っていた。
すっかりおしゃべりが上手になり、家では毎日、可愛らしい声が響いていた。
「パパ、いってらっしゃい!」
「蒼生、行ってくるな」
「ママも!」
「はいはい。いってらっしゃい」
そんなある日、雪は蒼生を連れて遥斗の会社へ遊びに行くことになった。
「蒼生、パパのお仕事見に行こうか」
「うん! パパのおみせ!」
「会社だよ」
「かいしゃ!」
会社に着くと、社員たちが蒼生を歓迎してくれた。
「蒼生くん、大きくなったね!」
「こんにちは!」
「ちゃんと挨拶できるの、偉いね」
蒼生は嬉しそうに笑った。
しばらくすると、蒼生は社内を探検し始めた。
「あれ? パパは?」
「社長室かな?」
蒼生は小さな足で、そっと歩いていく。
そして、遥斗が仕事をしている部屋を覗いた。
ところが――。
遥斗は机の前にいなかった。
「パパ、いない」
蒼生は部屋の隅に隠れて待ってみることにした。
すると、しばらくして遥斗が戻ってきた。
手には飲み物。
「ふぅ……ちょっと休憩」
椅子に座って、スマートフォンを眺めている。
それを見ていた蒼生は、目を丸くした。
「……パパ、おしごとしてない」
そこへ佐々木が入ってきた。
「あれ? 蒼生くん、そこにいたの?」
「しーっ」
蒼生は口に指を当てる。
「パパ、ないしょ?」
「内緒なの?」
「うん」
蒼生は少し考えてから、佐々木を見上げた。
「佐々木しゃん」
「はい?」
「これ、ママに言っていいの?」
佐々木は思わず笑ってしまった。
「いいですよ」
「ほんと?」
「本当です」
蒼生は嬉しそうに頷いた。
「じゃあ、ママに言う!」
「社長、これは大変ですよ」
佐々木が笑いながら遥斗を見る。
「……蒼生、聞いてたのか?」
「うん!」
「雪には言わないでくれよ」
「ママに言う!」
「蒼生!」
会社中に、蒼生の笑い声が響いた。
二歳になった小さな息子に、早くも仕事ぶりを監視される遥斗。
社員たちは笑いながら、その微笑ましい光景を見守っていた。