別府の湯けむり、君と50年の未来
12時の誕生日
病院に到着してから、長い時間が過ぎていった。
日付が変わっても、雪はまだ陣痛に耐えていた。
「雪、大丈夫?」
「うん……大丈夫」
遥斗はずっと雪のそばにいた。
水分を取れるように水やお茶を渡し、陣痛が強くなるたびに手を握る。
朝になっても、赤ちゃんはまだ生まれない。
そして――お昼の十二時。
「もう少しですよ」
助産師さんの声が響く。
雪は最後の力を振り絞った。
「雪、頑張れ!」
「うん……!」
そして――。
「おめでとうございます!」
病室に、小さな産声が響いた。
「……生まれた」
遥斗の目から、涙がこぼれた。
「雪……ありがとう」
雪も涙を流しながら、赤ちゃんを見つめる。
「可愛い……」
生まれてきたのは、元気な男の子だった。
遥斗は、初めて見る我が子を優しく見つめる。
「初めまして」
震える声で話しかける。
「パパだよ」
雪も赤ちゃんを見つめながら微笑んだ。
「ママだよ」
遥斗は、二人の間にいる小さな男の子を見つめる。
「名前……決めてたよな」
「うん」
二人で顔を見合わせる。
「蒼生(あおい)」
遥斗が名前を口にすると、雪も優しく頷いた。
「蒼生。海や空みたいに、広く優しい心を持った子になってほしいね」
「うん」
遥斗は小さな手をそっと握った。
「蒼生、初めまして。パパとママだよ」
小さな指が、遥斗の指をぎゅっと握り返した。
「……幸せだな」
遥斗は涙を拭った。
そして、落ち着いたところで父親へ電話をかけた。
「父さん、無事に生まれたよ。男の子だよ」
『本当か! おめでとう!』
「名前は蒼生。あおいっていうんだ」
『蒼生か。いい名前だな。俺もおじいちゃんか……』
電話の向こうから、嬉しそうな声が聞こえた。
次に雪のお母さんにも連絡をする。
「お母さん、無事に生まれました。男の子です」
『よかった……! おめでとう。雪も本当に頑張ったね』
「はい」
そして、会社の社員たちにも報告した。
『社長、おめでとうございます!』
『男の子ですか!』
『蒼生くん、元気に育ちますように!』
次々と届く祝福の言葉。
遥斗は嬉しそうに笑った。
「みんな、ありがとう」
そしてスマートフォンを置き、雪と蒼生を見つめる。
「今日から三人だな」
「うん」
雪は蒼生を抱きながら、幸せそうに微笑んだ。
「私たちの家族だね」
十二月の初め。
昼の十二時に生まれた、小さな男の子。
名前は――蒼生(あおい)。
長い約束の先で結ばれた二人のもとに、新しい家族が誕生した。
日付が変わっても、雪はまだ陣痛に耐えていた。
「雪、大丈夫?」
「うん……大丈夫」
遥斗はずっと雪のそばにいた。
水分を取れるように水やお茶を渡し、陣痛が強くなるたびに手を握る。
朝になっても、赤ちゃんはまだ生まれない。
そして――お昼の十二時。
「もう少しですよ」
助産師さんの声が響く。
雪は最後の力を振り絞った。
「雪、頑張れ!」
「うん……!」
そして――。
「おめでとうございます!」
病室に、小さな産声が響いた。
「……生まれた」
遥斗の目から、涙がこぼれた。
「雪……ありがとう」
雪も涙を流しながら、赤ちゃんを見つめる。
「可愛い……」
生まれてきたのは、元気な男の子だった。
遥斗は、初めて見る我が子を優しく見つめる。
「初めまして」
震える声で話しかける。
「パパだよ」
雪も赤ちゃんを見つめながら微笑んだ。
「ママだよ」
遥斗は、二人の間にいる小さな男の子を見つめる。
「名前……決めてたよな」
「うん」
二人で顔を見合わせる。
「蒼生(あおい)」
遥斗が名前を口にすると、雪も優しく頷いた。
「蒼生。海や空みたいに、広く優しい心を持った子になってほしいね」
「うん」
遥斗は小さな手をそっと握った。
「蒼生、初めまして。パパとママだよ」
小さな指が、遥斗の指をぎゅっと握り返した。
「……幸せだな」
遥斗は涙を拭った。
そして、落ち着いたところで父親へ電話をかけた。
「父さん、無事に生まれたよ。男の子だよ」
『本当か! おめでとう!』
「名前は蒼生。あおいっていうんだ」
『蒼生か。いい名前だな。俺もおじいちゃんか……』
電話の向こうから、嬉しそうな声が聞こえた。
次に雪のお母さんにも連絡をする。
「お母さん、無事に生まれました。男の子です」
『よかった……! おめでとう。雪も本当に頑張ったね』
「はい」
そして、会社の社員たちにも報告した。
『社長、おめでとうございます!』
『男の子ですか!』
『蒼生くん、元気に育ちますように!』
次々と届く祝福の言葉。
遥斗は嬉しそうに笑った。
「みんな、ありがとう」
そしてスマートフォンを置き、雪と蒼生を見つめる。
「今日から三人だな」
「うん」
雪は蒼生を抱きながら、幸せそうに微笑んだ。
「私たちの家族だね」
十二月の初め。
昼の十二時に生まれた、小さな男の子。
名前は――蒼生(あおい)。
長い約束の先で結ばれた二人のもとに、新しい家族が誕生した。