あやかしと宇宙防衛隊
二つの誘拐事件
アレス騎士団団員であるイヅナ・クリアウォーターは、上司であるツヤ・シノノメと共に任務に訪れていた。

「ここだ。この廃墟に妖が出るという情報が入った」

「ここですか……」

イヅナはゴクリと唾を飲む。目の前にあるのは、少なくとも十年以上前に廃墟となったであろう病院だった。窓ガラスはあちこち割れ、壁には謎の落書きがされている。

(怖いわ……)

薙刀を持つ手が震えていく。ツヤはため息を一つ吐いた後、イヅナの背中を思い切り叩いた。

「痛ッ!!ツヤさん、痛いですよ!!」

「イヅナ。これはあたしたちに与えられた任務だ。震えているだけの人間はアレス騎士団にはいらん」

ツヤに睨まれ、イヅナの青い瞳がハッと見開かれる。そしてイヅナの頭に、数週間前の不思議な出会いが浮かんだ。

(スペードさんは、巨大なエイリアンに恐れることなく立ち向かってた……)

弾を一度も外すことなくエイリアンを撃ち抜き、冷静に判断する能力に長けたスート特殊小隊の一人を思い出す。
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