【偽】カップルですが、本当の恋を教えてください
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3歳。両親の希望でピアノを始めた。すると驚くことに才能開花。
コンクールでは必ず1位だったし、音楽界でも『神童』と呼ばれ有名だった。
テレビや雑誌の取材もたくさん来たし、大きなオーケストラに参加させてもらったこともある。
小学生の時に海外の音楽学校から声が掛かるものの、慢心を心配した両親の決定で、市内の小中学校に通う。
成績は250位中170位くらいで、中の下。勉強は課題のみ。
放課後はピアノ連中で誰かと遊ぶことはなかったし、クラスのグループチャットにも入っていなかったから、徐々に孤立した。

・・・そして、今に至る。
誰からも羨ましがられる幼少期を送った私は現在、誰からも哀れまれるJK生活を送っていた。


そんな人生とおさらばできるなら、と久しぶりに昼の街に出る。
明るくて眩しくて・・・私とは正反対の、皮肉のような世界だ。
家から歩いて数分の○×ビルは、4,5,6階が音楽スタジオになっていて、今回指定されたAスタジオは6階。
どんな人たちなんだろう・・・。

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Aスタジオの、防音の分厚い扉。
緊張からかいつも以上に重く感じる扉を開けて中に入ると、待ち構えていたのは・・・。
「あっようこそー!」
楽器を持った、3人組の男の人が座っていた。
アコギとエレキとドラム・・・マイクもあるし、バンドかな・・・。
「初めまして、来てくれてありがとう」
「初めまして・・・あの、市姫桃祢です」
アコギを持た優しそうな男性が近づいてきて、自己紹介をして握手をする。
「ボーカルとアコギ担当の伊丹(いたみ)緋雁(ひかり)です。よろしくね、桃祢」
も、もう呼び捨てっ・・・フレンドリーな人なのかなっ・・・。
「ギターの音海(おとみ)珀亜(はくあ)です。桃祢って呼んで大丈夫?」
「はい!」
珀亜さんは適度な距離感の人で、でも優しさがにじみ出る素敵な人だ。
「ドラムの蛍火(ほたるび)(かずら)です。よろしくな、桃祢」
「よろしくお願いします」
葛さんはニコニコで真面目そうで、・・・音楽が大好きそう。
「えっと・・・俺らは、バンドをやりたいって思ってる。ちゃんと・・・デビューして売れるバンドになる」
和やかな空気のまま、緋雁さんが話し出す。
やっぱりバンドか・・・ちゃんと本格的に目指してるんだなぁ。

「桃祢の力が必要なんだ。俺たちは、桃祢と一緒に音楽をやりたい」

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