【偽】カップルですが、本当の恋を教えてください
「あの・・・アイドルとプロデューサーって、大変なことも多いと思いますけど・・・応援してるので!お2人が幸せになれる未来、信じてます!」
「市姫さん・・・」
ほら、月葵さんだけ、LUXEONさんの中で私のことを名字で呼ぶんだ。
佐伯さんは責任感が強そうだから軽い気持ちでアイドルと付き合うなんてことはしないだろうし、これだけ誠実な月葵さんだから応えたんだろう。
「ありがとう、ございます・・・。羨ましいです、正直」
「月葵・・・?」
「市姫さんと緋雁さんみたいに、堂々と言えたらいいのに・・・。アイドルって道を選んだのは、俺なんですけど」
少し寂し央に佐伯さんを見て、そういう月葵さん。
佐伯さんはそんな月葵の頭を軽く撫でて笑った。
「気の毒に思う必要はないですよ。こいつはきっと、将来大々的に公表するつもりなので。止めますが」
「あはは、そうなんですね。やっぱりお似合いだぁ・・・」
2人を見ていると、こちらまで幸せを分けてもらってる感じがする。
是非とも結婚してほしいけど・・・そっか、デキちゃった婚か。
「子供のことまでバレてるとは思いませんでした・・・」
「それは正直勘ですよ。当たってよかった」
「今2歳なんです。メンバー全員が可愛がってくれて」
そっかそっか、LUXEONさんのみんなが可愛がってくれてるんだね・・・。
私とは27歳差・・・うーん、もしその子が芸能界に入ったら、一緒にお仕事できるかなぁ。
月葵さんは、お子さんと一緒に仕事が出来たら嬉しいだろうな。
「みんな心配しちゃいますね。戻りましょうか?」
「なにも言わず出てきましたもんね。熱ももう冷めてるかと」
「俺もみんなに会いたくなってきました」
あっ・・・ライブ直後にメンバーと引き離したのは、申し訳ないことをしたな。
Echolyはいつも、ライブが終わったらしばらく一緒にいるから・・・。
「あっ、戻ってきた!どこ行ったのかと思った!」
案の定、控室の前にそれぞでメンバーが出てきていて、私たちを見つけて安心したように笑った。
私、最近勝手にどっか行って心配されることが増えたような。反省しなければ。
「3人とも戻ってきたし、写真撮りましょ!・・・え、なんでうーちゃん抜けるの」
う、うーちゃん・・・冬貴さんは、佐伯さんのことを‟うーちゃん”って呼んでるんだ・・・。
「私が映ったらだめだろう、あとでSNSにあげるんだから。・・・撮るぞ」
気が利く(?)佐伯さんの指示で2列になりかけ・・・。
絹亜さんが、ふと顔を上げた。
「Echolyさんがライブに来てくれました、って・・・ライブ衣装のほうが良くね?」
「・・・あ」
確かに今全員私服だけど・・・わざわざ着替えてもらうのは申し訳ないかも。
ライブ衣装、すごい豪華で着にくそうだし。
「1分で着替えてきます!」
「えっ・・・あっ、はい!」
でも全員絹亜さんの発言が気になったらしく、結局止める間もなく走って行ってしまった。
そして本当に1分後、1分クオリティとは思えないほどしっかり着飾った5人が返ってきた。
す、すごい技術・・・何人がかりでやったんだろう・・・。
「Echolyさん前列で・・・OKです、じゃあ撮ります」
Echolyが前列でしゃがみ、後列のLUXEONさんの方に少し首をひねって写真を撮る。

約1時間後、『Echolyさんがライブに来てくれました!』『LUXEONさんのライブに行ってきました!』と、それぞれのアカウントで写真が投稿された。
< 51 / 52 >

この作品をシェア

pagetop