経営企画部の彼が半年間、彼女に連絡できなかった理由│Quiet Strength×Soft Strength2
「できるかどうかは関係ない。やるかやらないか、それだけしか無い」

 と、司のものではない声が答えた。これは司が答える問いではない。そして、ここでCFOは全員の覚悟を問うた。

「正直、私もここからの一年がどんなものになるか、上野の今の言葉がどういう意味なのか、まだ正確に理解できていない。それでも、やれば生き残れるかもしれない、やらなければ会社は成長機会を失ってずっと危機にさらされることになる。それだけだ。やる気が無いのなら降りて構わない。降りたとしても君達には悪いようにしない。そもそも、この負担は今までの会社のせいだ。君達には大き過ぎる負担をかけることを役員一同理解している」

 この先は激務になる。それでもやり切れるかどうか分からない質と量。でも、やらなければ会社と共倒れだ。それだけははっきりしている。

 それ以前に、自分達はここで止まってしまう。キャリアではなく、成長が。

「やります」

 竹田が、いの一番に呟いた。司が入社して来てから世界が一転した。今までの生産性のない作業が無くなって、その上の仕事ができるようになった。そこで司の凄さをはっきりと目の当たりにした。同じことを見ても意見が違う。考え方が違う。結論が違う。笑いながら話すふりをして、嫉妬しなかったのも嘘じゃない。
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