経営企画部の彼が半年間、彼女に連絡できなかった理由│Quiet Strength×Soft Strength2
 舞ちゃん? と、急に司の口から出てきた親友の名前に綾音は目を丸くした。何で舞ちゃん?

「俺のやっていることがおかしかったら、立花も間違っているって言う筈でしょ? だから聞いてみて。それで、立花がそう言ったら綾ちゃんにお金出して貰う。でも間違っていないって言われたら諦めて」

「…え…で、でも…」

 そもそも何で舞ちゃん? それに、そんな事細かく言えないよ…。と、恥ずかしくて顔を染める綾音に、司は助け舟だけは出してくれる。

「飲み会の翌日にあれやこれや金を出して貰ったって言えば通じるよ。そこで、少しでも甘やかされ過ぎだのそんなの変だの言われたら俺も反省するし考え改める。でも賭けても良い。そんなの当然だって言うだろうし、その場に俺がいたら、お前、それだけで禊が済んだと思うなよって言われるだけだと思う」

 この、賭けても良い。に、綾音は少し俯いた。司がこう言う時は本当にそうなのだ。起こる筈が無いと思っていた事が起こるのだ。起きたのだ。実際。

 しかも前回とは違って舞まで同意するとなれば、これはもうとんでもないことが起きていると綾音は思った。自分がどうこう言っても覆せることはないだろう。絶対に。

 …絶望。

「分かった?」

「あ……うう…」

 理解も納得もしていない。けど。

「…はい」

 無条件降伏して綾音は大人しく頷いた。
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