経営企画部の彼が半年間、彼女に連絡できなかった理由│Quiet Strength×Soft Strength2
 司の可愛がり方は意地悪だ。丁寧に気持ち良くしてくれるのに、ぎりぎりで一線を越えさせてくれない。最後の為に積み上げてくれているようなそれは、積み重なれば積み重なるほど自分を乱していく。司の愛情だとは分かっている。でも、こんな事を聞く司はやっぱり狡いと綾音は思う。

「綾ちゃん。欲しい?」

 してくれなきゃもう駄目なの分かってる癖に。欲しくて仕方ない体にしたのは司なのに。

 狡い。

 司がどこかに触れたらと思うだけで震えの治まらない体を縮こまらせた綾音は、涙目で司を見た。呼吸ですら油断したら、司が積み上げてくれたものがばらばらと崩れてしまいそう。いずれ綺麗に崩れてしまうものと分かっていても、そのタイミングや崩し方を綾音は知らない。積み上がったそれの重さも、感触も。

「どうする?」

 二人きりでなければ聞けない言葉にぞくぞくする。自分の本能が司にどうしようもなく反応してる。

「する?」

 耳の側で聞こえた司の声に鳥肌が立った。

 うん。と、必死に頷いた。
< 114 / 126 >

この作品をシェア

pagetop