経営企画部の彼が半年間、彼女に連絡できなかった理由│Quiet Strength×Soft Strength2
 うん。大丈夫だ。と、竹田は小さく頷いた。競合が来ても揺れない会社の軸と、具体的な戦い方を同時に示せている。安心してモニターを見ると、何人かが驚いた様に顔を上げて社長を見上げていた。理解ではなく納得をした様子で、その言葉に大きく頷いている人間の様子も目に入る。

 油断するつもりは無い。けれどここまでは絶対に上手くいっている。ぎゅっと握り締めた手の平に汗を感じた。少し集中が解けたのを自覚して気を引き締めた。この総会が終わるまでは、絶対に気を抜いてはならない。自分が動く必要が無いとしても。そうであればいい。

 他に質問は。と、促しても株主は反応しない。終わったか。と、株主から見えない場所にいるにもかかわらず、直立不動で気配を消し続けていた竹田は少しだけ足のつま先を動かした。それを見付けられてしまったかのようなタイミングで小さな声が聞こえてくる。

「すいません。私からも、良いですか…」
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