経営企画部の彼が半年間、彼女に連絡できなかった理由│Quiet Strength×Soft Strength2
会議室の決意1
この会社の決算説明会や株主総会は、いつも静かだった。それが一年後には、誰も予想しなかったほど多くの質問を受けることになる。
その始まりが、この会議だった。
実は、一連の流れは昨年の晩夏から始まっていた。
「特許の出願を秋にすると正式に決定した。知っているとは思うが、IRは既に動かしている。このまま順調にいけば冬、春の本決算と決算説明会、そして株主総会でアナリストや株主が反応する可能性が高い。というか、そうなって貰わないと困る。経営企画にはその為の資料作成や対策をして欲しい。これから激務になると思うが、そのつもりで臨んでくれ」
CFOのその言葉に、集まった経営企画部の人間は顔を見合わせた。今年の春に入社した新入社員と四人。計五人。
会社は夏にIRを一新した後、次の問題に直面していた。この直後にある秋、その後の冬の決算。そして総会と春の本決算をどう乗り切るか。
今までは会社も株主も定型通りのやり取りで終わっていた。期待していない株主と期待されていない会社。際どい質問をしてくるような個人投資家や、元プロの様な人間が興味を持つ会社ではない。発表会の域を出ない決算や総会で十分だった。
けれどIRを変え、PBR(株価純資産倍率)1倍を目指すとすれば、必ずどこかで投資家や株主と戦う必要が出てくる。彼等はそのスタート地点にいた。
その始まりが、この会議だった。
実は、一連の流れは昨年の晩夏から始まっていた。
「特許の出願を秋にすると正式に決定した。知っているとは思うが、IRは既に動かしている。このまま順調にいけば冬、春の本決算と決算説明会、そして株主総会でアナリストや株主が反応する可能性が高い。というか、そうなって貰わないと困る。経営企画にはその為の資料作成や対策をして欲しい。これから激務になると思うが、そのつもりで臨んでくれ」
CFOのその言葉に、集まった経営企画部の人間は顔を見合わせた。今年の春に入社した新入社員と四人。計五人。
会社は夏にIRを一新した後、次の問題に直面していた。この直後にある秋、その後の冬の決算。そして総会と春の本決算をどう乗り切るか。
今までは会社も株主も定型通りのやり取りで終わっていた。期待していない株主と期待されていない会社。際どい質問をしてくるような個人投資家や、元プロの様な人間が興味を持つ会社ではない。発表会の域を出ない決算や総会で十分だった。
けれどIRを変え、PBR(株価純資産倍率)1倍を目指すとすれば、必ずどこかで投資家や株主と戦う必要が出てくる。彼等はそのスタート地点にいた。