経営企画部の彼が半年間、彼女に連絡できなかった理由│Quiet Strength×Soft Strength2
 …えーーーん。そして決壊した涙腺でそれぞれに泣いていたら、司を見送った部長は息切れを整えてから、今度は部屋の惨状に目を丸くした。

「な? 何だ。どうした。それより皆、株価見たか!? PBR1倍超えたぞ!?」

「見ました…」

「上野君も喜んでました…」

「我が人生に悔いなし」

「ありがとう。上野」

 それぞれに呟く言葉にまた泣ける。そうだよね。分かる。そうだよね。そうだよ。…うえーーーん。更に涙が止まらない。それを見て、今度は部長が狼狽えた。

「…は? え? どういう事だ? 上野? え? 上野!? どういう意味? やっぱりどっか行っちゃうの? そう言ってた!? 嘘っ」

 昨日の司の異変を部内で共有していた部長は、その場でばたばたと足踏みをした。慌てているのは分かる。

 その部長に部下は思いの丈を口にした。それを聞いて部長がどう思うかなんて関係ないのである。

「上野、滅茶苦茶嬉しそうでした」

「あの顔を見られたら、それだけでもう十分というか」

「ここまでよく踏ん張ったねって気持ちしかありません」

「本当によく頑張ったよ。上野ー」

 うわーーーん。と、お別れの言葉みたいなものを呟きながら皆は号泣している。それを見て部長は更に慌てた。ちょっと待て。社長室とCFO、株価見て大喜びなんだぞ!? そんなところに離職の話なんてされたら死んじゃうって!! と、部長は再び社長室に走った。
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