経営企画部の彼が半年間、彼女に連絡できなかった理由│Quiet Strength×Soft Strength2
「わ、分かった! 良く分かった! 悪かった! 今日は彼女と過ごすと良い! そうすべきだ!」

「うん。そうだ。そうしなさい。何ならもう上がるか? 上がっても良いぞ!?」

「え? いえ、それは必要ないです…」

 十時前ですよ? まだ出社したばかり。と、一人冷静な司は時計を見ながら首を振る。それに綾音も仕事してるし。ここにいた方がすぐに会えるし。

「そうか。じゃあ、何が何でも今日は定時で上がりなさい。経企部長!」

「はいいっ!」

 急に呼ばれて部長はきょうつけをした。いたのばれてたの!? と、急に姿勢が良くなる。

「分かったな。上野だけじゃない。他の面々も、今日は早く上がらせなさい。皆疲れているだろうしな」

「はいっ」

「本当に申し訳ありません」

 その言葉に恐縮しながら頭を下げる司に、CFOは恐る恐る聞いてみた。

「じゃあ、祝杯はまた改めて、皆で上げよう。な?」

 そう言ったら司は嬉しそうに笑う。

「はい。ありがとうございます。楽しみにしています」

 その笑顔に心底安心した。良かったー。まだここにいてくれるようだ。もう少し若かったら経営企画部の面々みたいに泣いていたかもしれない経営陣の二人は、安心して大きなため息をついた。
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