経営企画部の彼が半年間、彼女に連絡できなかった理由│Quiet Strength×Soft Strength2
 …違うのか。聞き返してきた司の様子に二人は一先ず安堵した。心は会社から離れてないか? 大丈夫か? 大丈夫そうだな。じゃあ、何でこんな良き日の誘いを断るんだよー!!(意訳)の気持ちでCFOは呟いた。

「じゃあ、その、何で今日食事に行くのも駄目なんだ? どうしても駄目か?」

 愛社精神があるなら…いや、そんな古くさい考えではなく、あれだけ頑張ったのだからこの記念日にお祝いしても良いと思うんだ。そりゃ、役員とでは楽しくないかもしれないけど…と世代の違いかもしれない思考に社長とCFOは動揺した。

 その二人に、司は更に物凄く言い辛そうに小さく唸ってから呟く。

「…あの、実は、今日……この半年、ほったらかしにしていた彼女に…会いたいと自分からお願いしてて…」

 その意外過ぎる言葉に社長とCFO…と、部長は固まった。嘘ぉ。そんな理由だったの? 

 …ごくり。と、唾を飲み込んで、CFOは再び口を開いた。

「その、彼女は怒ってしまったのか? それは悪いことをした…」

「いえ」

 その言葉に司は首を振る。え? 違うの? と、目を丸くするおじさん三人。

「彼女はこの半年、何も言わずに音信不通になっても、仕事が忙しいと理解してくれて、連絡もしないで待っていてくれました。怒ることもなく、寧ろ応援して心配もしてくれていました。だから何も後ろ髪引かれること無く仕事をすることができました。正直、自分は余裕がなくて、彼女のことを気に掛けることすらできていませんでした。でも昨日、CFOがお一人で何の不安も無く個別ミーティングの対応されているのを見て、もう安心だと思った瞬間に自分の所業を思い出して…」

 …ですね…。と、気まずく呟く司に、別の意味で三人は青ざめた。会社のせいで司のプライベートの危機。それは駄目だ! これだけ尽くして頑張ってくれた司の人生を、自分達の我が儘でこれ以上滅茶苦茶にする訳にはいかない!! 駄目! そりゃー絶対駄目だーー!!
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