よそ見なんてしてません!…たぶん。〜クールな外科医の独占欲が止まりません〜

 自分でも馬鹿みたいだと思う。

 白石はちゃんと、好きだと言った。

 俺と付き合うことにも頷いた。

 それなのに、和田の腕を見ていただけでこんなことを考えている。

 今まで、女相手にこんなことを思ったことなんてなかった。

 誰かに取られるかもしれないなんて考えたこともない。

 来るもの拒まず、去るもの追わず。

 ずっと、そうしてきた。

 なのに。

 『………87点』

 また脳内で再生されて、眉間に皺が寄る。

 「須波先生?」

 声に顔を上げると、通りかかった看護師が不思議そうに俺を見ていた。

 「どうかしました?」

 「いや、別に」

 「……?」

 「なんでもない」

 再びカルテへ視線を落とす。

 …………気に食わない。

 和田の腕も。点数も。

 何より――

 白石が他の男を見ていたことが。

 どうせあとで迎えに行く。

 その時に全部聞けばいい。

 俺は何点なのか。

 「……はあ……何やってんだ」

 思わず額を押さえる。

 完全に、白石のペースだ。

 でも。

 ひとつだけ、はっきりしていることがある。

 俺はたぶん、自分で思っていたよりずっと――

 白石を誰にも渡したくない。

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