よそ見なんてしてません!…たぶん。〜クールな外科医の独占欲が止まりません〜
「はい。明るいし、人懐っこいし」
「ふーん」
「須波先生と正反対ですよね」
「悪かったな」
「悪いなんて言ってませんよ!」
クスクス笑いながら、料理を口に運ぶ。
先生とこうやってご飯を食べていることが、やっぱり嬉しいし、楽しい。
それなのに。
ふとした瞬間に、昼間の会話が頭をよぎる。
『遊び慣れてる男って、余裕あるもんね』
目の前の先生を見る。
いつも余裕があって。
私が何を言っても動じなくて。
キスだって、あんなに自然で。
…………。
「白石?」
「え?」
「急に黙るから、どうした」
「あ、すいません」
「疲れた?」
「いえ!大丈夫です」
慌てて笑ってみせる。
聞きたい。
でも、聞けない。
『私のこと、本当に好きですか?』
なんて。
好きって言ってくれた人に、そんなこと聞くなんて失礼だ。
遊びなんですか?
そう聞けたらどんなに楽だろう。
胸の奥にできた小さな棘は、まだ抜けてくれなかった。