よそ見なんてしてません!…たぶん。〜クールな外科医の独占欲が止まりません〜
 須波先生。

 「さっきの患者の件、確認した?」

 「あ、今やろうと思ってました」

 「先にやれ」

 「はいっ。すいません」

 ……き、厳しい。

 なのに、和田先生は全く気にした様子はない。

 「須波先生、厳しいんですよー。俺の指導医なんです」

 私にコソッと耳打ちする。

 「聞こえてるぞ」

 「うわ、すいませんっ」

 「和田」

 「はい!行ってきます!」

 そう言って笑顔のまま和田先生は慌ててパソコンへ向かった。

 ふふっ。

 なんだかおもしろい人。

 思わずその背中を見送っていると、

 「白石」

 「はいっ!」

 振り返れば、須波先生がこっちを見ていた。

 相変わらず、何を考えているのかわからない無表情。

 「……なに笑ってんの」

 「え?」

 それだけ言うと、先生は私から視線を外した。

 真面目に仕事しろってことですよね!

 はい、すいません。

 私も記録しなきゃ。

 和田先生の後を追うかたちでパソコンに向かった。
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