よそ見なんてしてません!…たぶん。〜クールな外科医の独占欲が止まりません〜

 「あっつ……」

 隣で和田先生が白衣を脱ぐ。

 そのままカタカタと電カルを操作し始める和田先生。

 …………ん?

 視界の端に何かが引っかかる。

 ちょっと待って。

 私の視線が、ゆっくり斜め下へ落ちる。

 思わず鼻から大きく息を吸った。

 そこにあるのは、程よく筋肉のついた前腕。

 手首から肘に向かって綺麗に走る筋。

 そして、うっすら浮き出た血管。

 …………いい。

 いや。

 かなり、いい。

 私の中の前腕センサーが、久しぶりに合格の鐘を鳴らした。

 「白石さん?」

 「…………」

 「白石さーん?」

 「……はいっ」

 顔を上げると、和田先生が不思議そうに私を見ていた。

 「どうしました?」

 「い、いえ!なんでもありませんっ」

 危ない。
< 10 / 33 >

この作品をシェア

pagetop