弁護士さん、恋愛の仕方がわかりません

第一条 不可避の法的根拠

田中みよ、23歳。彼氏いない歴=年齢。

告白すらされたことがない私。
なぜか今、婚姻届を差し出されています。

ことの始まりは──10分前にさかのぼる。



21時50分。

店内にはコンビニのオリジナルソングが流れている。

店長はバックヤードへ下がり、私はレジ近くの商品を前出ししながら今日のご褒美スイーツを物色していた。

昨日は苺大福を食べ損ったから今日こそは、と割引シールの貼られたものをレジへ通し、カウンター下に置く。

あと30分ちょっとで終業時間だ。

22時にやってくるであろう顔ぶれを待ち、いそいそとレジカウンターに入れば、ピロリン、と自動ドアの開く音がした。

こんな時間に珍しいなぁ…。

そんなことを思いながら入り口を見ると。

皺ひとつないスーツを着た、彼だった。

いつもより早い。
何かあったのかな…?

「いらっしゃいませ〜」

決まり文句の挨拶を一言。

いつもの彼は。
そのまま栄養ドリンクコーナーへ向かう。

──はずだった。
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