シークレット―世界は守れますが、恋の仕方はわかりません―

3.古い資料室

 数日後。

「直充、悪い」

「何ですか」

「今日ちょっと手ぇ貸してくれない?」

 講義を終えた直充が鞄を肩にかけたところで。

 軽音サークルの先輩に呼び止められた。

「何を」

「荷物運び」

「どこに」

「旧棟」

「…………」

 直充は腕時計を見る。

 このあと。

 特に予定はない。

「どれくらいかかります?」

「一時間」

「本当に?」

「……二時間」

「最初からそう言ってください」

「頼む!」

 両手を合わせられる。

 直充は小さく息を吐いた。

「分かりました」

「助かる!」

「重いですか」

「たぶん」

「たぶん?」

「俺もまだ見てない」

「…………」

 嫌な予感がした。
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