S系策士に豹変した元恋人御曹司の独占愛が甘すぎる

「社則は変えた。紗夜の誤解も解けた」
「……それは」
「だからまた、俺と付き合ってほしい」

 和季の熱烈さにたじたじと口籠る紗夜だが、その困惑に気づいても和季の求愛は止まらない。

 むしろあと一押しと言わんばかりに紗夜の髪を撫でながら、色香を含んだ低い声で紗夜を恋の沼に誘ってくる。

「二年前の続きをしよう。今度こそ、俺が紗夜に『ぜんぶ』教えるから」

 紗夜にすべてを教えたい。自分の導きで紗夜が〝はじめて〟を知る瞬間を味わいたい。

 他の男から教わるなんて冗談じゃない。自分以外の誰かの手で紗夜が愛を知っていくなんて、とても耐えられない。

 紗夜に愛を与えたぶんだけ紗夜から愛を返してもらえる存在なんて、絶対に受け入れられない。

 そんな剥き出しの独占欲に、また背中がぞくりと震える。逃がさない、と宣言されたような気分を味わう。

 和季の言外の主張に戸惑った紗夜は、自身の感情を誤魔化すように、そろりと視線を横に逸らした。

「お、教わること……まだ、あるんですか……?」
「あるに決まってるだろ。たった三か月で、(オトコ)のすべてを知った気になられたら困る」
「!?」

 視線は逸らせたが、和季自身から完全に逃れられたわけではない。

 シーツの上でさり気なく横へ移動して身体を離そうとしたが、彼の手が紗夜の頬を包み込んでこめかみに小さく口づけてくる方が、少しだけ早かった。

「返事は急がなくていい。二年も待ったんだ、もう少しなら待ってやる」
「……っ~~!」

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