マッチングした相手は片想いの社長でした
気まずくなって、今度は私から話題を変える。

「涼太君は? 彼女いるでしょ」

「彼女はいないけど」

「え? 涼太君モテるのに」

同期の中でも、涼太君は昔から女性社員に人気がある。

爽やかで話しやすいし、仕事もできる。

彼女がいない方が不思議だった。

すると涼太君は、少しだけ笑った。

「俺は那奈にモテたいな」

「……え?」

冗談だと思った。

いつもの同期同士の軽口。

そう思って笑おうとしたのに――笑えなかった。

涼太君が私を見つめていたから。

さっきまでの気軽な笑顔ではない。

まっすぐな視線だった。

私も思わず涼太君を見つめ返す。

近い。隣同士で作業をしていたから、いつの間にか距離が近くなっていた。
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