マッチングした相手は片想いの社長でした
それ以上でも、それ以下でもない。

私がお肉を網に乗せようとすると、社長が手を伸ばしてきた。

「待てよ。肉は俺が焼く」

「肉奉行ですか?」

「悪いか?」

「ふふっ、いいえ」

意外。会社では何でも部下に指示を出す人なのに、焼肉では自分で全部やりたいらしい。

真剣な顔で肉を焼く社長を見ていると、なんだかおかしくなってくる。

「ほら、焼けたよ」

「ありがとうございます」

社長が焼いてくれたお肉を、一口食べる。

「うーん、美味しい」

「幸せそうに食べるな」

「この瞬間が一番幸せです」

「そんなにか?」

「美味しいものを食べているときって幸せじゃないですか?」

「確かにな」

顔を見合わせて笑う。
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