マッチングした相手は片想いの社長でした
こんなふうに社長と話したことなんて、ほとんどなかった。

会社ではいつも遠くから見ていた人。

社長室ですれ違えば緊張して、声をかけられただけで一日幸せになれた。

なのに今は隣にいる。

ビールを飲んで、一緒に焼肉を食べて、笑っている。

夢みたい。

でも、夢なら覚めないでと思った瞬間、婚約者の話が頭をよぎった。

胸がちくりと痛む。

「ところで、体調は大丈夫か?」

「はい……え? どうして?」

「去年、倒れたことがあっただろ」

私は社長を見つめた。

覚えてるの?あんな一年前のこと。

「覚えててくれたんですか?」

「目の前で倒れたからな」

「あの時は、ありがとうございました」
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