マッチングした相手は片想いの社長でした

第17話 ずっと俺の側に

朝、会社の自動ドアをくぐると、いつものオフィスの空気が私を迎えた。

「おはようございます」

まだ少し眠気の残る頭を切り替えながら、自分の席へ向かう。

「おはよう、那奈さん」

「おはようございます」

女性社員に声をかけられ、私は笑顔で返した。

何も変わらない朝。

――のはずだった。

「おはよう、涼太君」

ちょうどオフィスに入ってきた涼太君に声をかける。

「おはよう、那奈」

いつも通りの爽やかな笑顔。

けれど彼の顔を見た瞬間、先日の出張が頭をよぎって、ほんの少し気まずくなった。

新幹線が止まって帰れなくなり、ようやく見つけたホテルには一部屋しか空きがなかった。

結果、私たちは同じ部屋で一晩を過ごした。
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