マッチングした相手は片想いの社長でした
気づけば私は、ほとんど付きっきりで春樹さんの仕事を手伝っていた。

忙しい。

だけど、嫌じゃない。

むしろ楽しい。

春樹さんがどんなことを考えて会社を動かしているのか、今までよりずっと近くで分かる。

ただ――。

「社長、那奈さんにべったりですね」

そんな声が聞こえてきたのは、社長室から書類を持って出たときだった。

「那奈は仕事できるから」

涼太君の声。

「それにしても、ずっとですよ?」

女性社員が笑っている。

私は聞こえないふりをして自分の席へ戻った。

胸の奥に、小さな引っかかりが残った。

――ずっと。

確かにそうかもしれない。

その日の午後。

「水野、外回り付き合ってくれ」

「はい、社長」

頼まれた資料を持って、春樹さんと駐車場へ向かった。
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