マッチングした相手は片想いの社長でした
「今日はどの取引先へ?」

助手席に乗り込みながら聞くと、春樹さんは平然と答えた。

「今日は那奈とドライブ」

「え?」

思わず春樹さんを見る。

「仕事中なのに?」

「那奈を補充する時間」

「……もう」

この人、本気で言っている。

車は駐車場を出て、街の中へ走り出した。

「ねえ、春樹さん」

「どうした?」

「私、仕事するって言ったよね」

「言ったな」

「だったら……」

「たまには息抜きも必要だよ」

春樹さんは楽しそうに笑っている。

しばらくして車が停まった。

そこは以前にも来たことのある、上品なブティックだった。

「さあ、降りて」

「え? ここ?」

店に入ると、オーナーが私たちを見て微笑んだ。
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