マッチングした相手は片想いの社長でした
「本当ですか?」

「このワンピースもどう?」

今度は春樹さんがブルーのワンピースを持ってくる。

「まだ着るの?」

「いいから」

着替えて試着室から出る。

春樹さんが、じっと私を見つめた。

「うん、似合うよ」

その一言で嬉しくなる自分が悔しい。

結局、何着も選ばれてしまった。

そして――。

「お会計、十万八千円です」

「ええ?」

思わず声が出た。

春樹さんは何事もないように支払いを済ませる。

「これくらい当たり前だろ」

「……世界が違うわ」

本当にそう思う。

十万円を超える洋服を、こんなふうに買ってしまうなんて。

店を出る前、春樹さんが私の顔を覗き込んだ。

「嬉しくないの?」

少し寂しそうな顔。

そんな顔をされると弱い。

「ううん」
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