マッチングした相手は片想いの社長でした
確かに、香織さんの仕事ぶりはすごい。

NY支社から戻ったばかりなのに、すぐに社内の状況を把握して、次々と仕事をこなしている。

仕事のできる大人の女性。

春樹さんと同い年で、昔は婚約者だった人。

……比べても仕方がないのに。

ふと、香織さんがこちらを振り返った。

一瞬、目が合う。

けれど彼女は何も言わず、そのまま歩いていった。

その日の午後。

私が春樹さんと仕事の話をしていると、春樹さんが珍しく笑った。

「それでいい。その方向で進めよう」

「はい」

「水野、最近判断が早くなったな」

「本当?」

「ああ。秘書らしくなってきた」

「もう。最初は秘書じゃなかったんだから仕方ないでしょ」

思わず二人で笑う。
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