マッチングした相手は片想いの社長でした
会社では「社長」と「水野」。

だけど、ふとした瞬間に恋人同士の空気が出てしまうことがある。

その時だった。

少し離れた場所から、香織さんが私達を見ていた。

「ねえ、黒瀬君」

「どうしました?」

涼太君の声が聞こえる。

私は仕事に戻ったけれど、二人の会話までは聞こえなかった。

香織さんは、私達の関係に気づいたのだろうか。

後から涼太君に聞いた話では、香織さんはかなり率直だったらしい。

「あの二人、付き合ってるの?」

「さあ……」

「見たところ、信頼し合ってるみたいだけど」

涼太君は少し考えて、

「那奈は社長のお気に入りですよ」

と答えたらしい。

お気に入りって……。

そこまで知っているなら、付き合っていると言ってしまえばいいのに。
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