マッチングした相手は片想いの社長でした
昼間の動物園。

春樹さんから後で聞いたその光景を、私は何度も想像した。

待ち合わせ場所に現れた香織さんと、小さな春太君。

「香織、春太」

「春樹」

そして春太君は春樹さんを見つけた途端、ぱっと顔を輝かせたという。

まだ何も知らない。

大人達がどれだけ戸惑っているのかも。

過去に何があったのかも。

ただ、会いたかった人に会えた。

そんな無邪気な笑顔で春樹さんへ駆け寄って――。

「パパ、また会えたね」

そう言った。

その話を聞いた時、私の胸は締めつけられた。

春樹さんと私だけだった未来に、突然現れた小さな男の子。

春太君。

この出会いが私達の未来をどう変えるのか。

その時の私は、まだ何も知らなかった。
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