マッチングした相手は片想いの社長でした
短いキス。

それだけなのに、さっきまで胸を占めていた不安が少しずつ消えていく。

私はこの人を信じたい。

春樹さんも、私を選んでくれている。

だから大丈夫。

――そう思っていた。

倉庫の外から、香織さんが私たちを見ていたことには気づかなかった。

数日後。

仕事を終えた春樹は、会社のエレベーター前に立っていた。

扉が開く。

「パパ!」

元気な声とともに、小さな男の子が飛び出してくる。

「春太。いい子にしてたか」

「うん! いい子にしてた!」

春樹は駆け寄ってきた春太を受け止める。

その後ろには香織がいた。

「お疲れ様」

「ああ。どこか食べに行こう」

その言葉を聞いた春太が目を輝かせる。

「わーい! 僕、ハンバーグ!」
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