マッチングした相手は片想いの社長でした
香織の指先が震える。

今日、春太と一緒に歩いたこと。

三人で食事をしたこと。

春樹が春太を抱き、優しく頭を撫でていたこと。

ずっと心の奥に押し込めていたものが、溢れてしまった。

そして何より――あの日。

倉庫で那奈を抱きしめ、キスをする春樹を見てしまった。

もう自分のものではないと分かっていたはずなのに。

胸が痛かった。

「私……」

香織の声が震える。

春樹は何も言わず、香織を見ていた。

香織は唇を噛み、それでも逃げずに春樹の目を見る。

もう隠しておけない。

「ずっと忘れられなかった」

静かなリビングに、香織の告白だけが残った。
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