マッチングした相手は片想いの社長でした
「かわいいな」

その横顔を、香織はじっと見つめていた。

「お茶でも飲んでいって」

「ああ」

春樹はリビングへ移動し、ソファに腰を下ろした。

静かな部屋だった。

春太が眠ってしまった今、さっきまでの賑やかさが嘘のようだ。

春樹はスマートフォンを取り出す。

那奈に連絡しておこう。

そう思った、そのときだった。

寝室のほうから足音がする。

顔を上げた春樹の表情が止まった。

「……香織」

そこに立っていた香織は、紺色のスーツではなかった。

華奢なスリップ姿。

会社で見せる凛とした姿とはまるで違う。

香織は春樹を見つめていた。

その瞳は揺れている。

春樹が立ち上がろうとすると、香織が一歩近づいた。

「春樹……」

「どうした」
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