マッチングした相手は片想いの社長でした
「そして綺麗な女」

「もうっ」

顔が熱くなる。

日本酒のせいだけじゃない。

「贅沢な時間だ」

その言い方があまりにも優しくて、私は何も返せなくなった。

しばらく見つめ合う。

さっきまで笑っていた春樹さんの表情が、少しずつ真剣なものへ変わっていった。

「那奈」

「ん?」

「俺は責任ある立場だ」

突然の言葉に、私は黙って春樹さんを見る。

「はい」

「会社のことを優先しなきゃならないときもある。那奈に構ってやれない時もあると思う」

春樹さんは、きっとずっと考えていたのだろう。

この人はいつも強く見える。

けれど本当は、誰よりも責任を背負っている。

私はそんな春樹さんを好きになった。

「大丈夫よ」

自然と笑顔になった。

「私の元へ帰って来てくれれば」
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