マッチングした相手は片想いの社長でした
昨夜のことを思い出して、左手をそっと持ち上げる。

指輪は夢ではなかった。

「おはよう、那奈」

「……春樹さん」

眠そうな声で呼ぶと、春樹さんが微笑んだ。

その顔を見ているだけで幸せだった。

昨日まで私は春樹さんの恋人だった。

でも今日からは違う。

まだ籍を入れたわけでもないのに、二人で同じ未来を見ている。

春樹さんが私の髪を優しく撫でる。

「新しい朝だな」

「うん」

私は春樹さんの胸元へ頬を寄せた。

窓の外では、朝日が昇り始めている。

私たちにも、新しい朝が来た。

片想いから始まった恋が、これからは二人の人生になっていく。

左手の指輪を見つめながら、私はそっと目を閉じた。

――この人となら、きっと大丈夫。

何度離れそうになっても、何度不安になっても。

最後には同じ場所へ帰ってくる。

だってもう、春樹さんは私の帰る場所で。

私もきっと――春樹さんの帰る場所なのだから。
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