マッチングした相手は片想いの社長でした
ずるい人。

でも――嬉しい。

ホテルへ入ると、スタッフが「いらっしゃいませ」と丁寧に頭を下げた。

春樹さんは迷うことなくフロントへ向かう。

「ダブル、一室空いてますか?」

ダブル。その言葉に、思わず俯いた。

何を今さら。一度目じゃないのに。

「はい、ご用意いたします」

ルームキーを受け取った春樹さんと並んで、エレベーターへ向かう。

扉が開き、二人で乗り込む。

密室になった途端、急に春樹さんを意識してしまった。

「もしかして緊張してるの?」

「少しだけ」

正直に答えると、春樹さんが私の耳元へ顔を寄せた。

「あんなに愛し合ったのに?」

「もうっ」

恥ずかしくて睨んだつもりなのに、春樹さんは楽しそうに笑う。
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