マッチングした相手は片想いの社長でした
「あはは。可愛い」

会社では絶対に見せない顔。

私だけが知っている春樹さん。

そう思うと、胸の奥が甘く疼いた。

ふいに春樹さんの顔が近づく。

唇が触れた。

ほんの短いキスなのに、それだけで身体中が熱くなる。

もっと――。

そう思ったところで、到着を知らせる音がした。

春樹さんが少し笑う。

「こっちだよ」

手を引かれ、廊下を歩く。

部屋へ入ると、大きな窓の向こうに夜景が広がっていた。

「わあ……」

思わず声が漏れる。

でも、すぐ隣に春樹さんがいることの方が気になって、私はそっと彼の手を握った。

「怖い?」

「ううん」

怖くはない。

むしろ、この時間が終わってしまう方が怖かった。

「ワインでも飲もう」

「うん」
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