マッチングした相手は片想いの社長でした
「あなたに婚約者がいても」

言ってしまった。

こんなことを言ったら軽蔑されるかもしれない。

それでも好きだった。

二番目でもいいなんて、本当は思いたくない。

だけど、もう春樹さんのいないところには戻れない。

「私……私……」

その先を言おうとした時だった。

「待って」

春樹さんの声に遮られた。

顔を上げる。

春樹さんが、きょとんとしている。

怒っているわけでも、困っているわけでもない。

ただ、本当に意味が分からないという顔。

「なんで俺に――」

春樹さんが眉を寄せた。

「婚約者がいるの?」

「…………え?」

今度は、私が固まった。

涙まで止まった。

春樹さんと私は、朝の光の中でしばらく見つめ合う。

え?

――どういうこと?
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