マッチングした相手は片想いの社長でした
「那奈?」

嬉しい。

こんなに嬉しい言葉はない。

好きな人に必要とされている。

だったら、どうして私はこの人の隣にいられないんだろう。

どうしていつか別の女性に返さなければならないんだろう。

昨夜から押し込めていた気持ちが、一気にあふれ出した。

「もう耐えられません」

「え? 那奈?」

「春樹さんのことが好きです」

とうとう言った。

ずっと胸の中に閉じ込めてきた言葉。

一度口にしてしまったら、もう止められなかった。

「側にいたいんです」

春樹さんは何も言わず、私を見ている。

拒絶されるのが怖い。

それでも、もう後戻りはできない。

「ああ」

優しい声。

その優しさが、かえって苦しい。

私は涙を拭うこともせず、春樹さんを見つめた。
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