マッチングした相手は片想いの社長でした
相手は家柄のいいお嬢様で、いずれ正式に発表されるらしい、と。

だから私は、一年間も続いた片想いを諦めようとした。

忘れるためにマッチングアプリまで始めたのに。

そこで出会った相手が、まさか春樹さん本人だったなんて。

「……本当なの?」

思わず小さな声が漏れた。

「水野」

「は、はい!」

突然名前を呼ばれて、肩が跳ねた。

顔を上げると、春樹さんがこちらを見ている。

「何でしょう、社長」

「お昼食べた?」

「え?」

あまりに予想外の質問だった。

「まだなら今から行こう」

「え……」

どうして?

そんな疑問を口にする暇もなく、春樹さんは立ち上がってしまう。

結局私は、その後を追うことになった。
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