マッチングした相手は片想いの社長でした
しかも、美里さんは仕事まで完璧だった。

「社長、珈琲です」

「ああ……ありがとう」

「決裁書はこちらに」

春樹さんが書類へ目を通す。

「まとめるのが早いな」

「会議室もおさえてあります」

「肝心の会議資料は?」

「作成してあります」

私は少し離れたところから二人を見ていた。

秘書になったばかりなのに、美里さんは春樹さんが必要とするものを次々と用意していく。

「仕事が早いな」

「ふふふ。使えますでしょ」

「さすがは母に気に入られるだけある」

「春樹さんも気に入りますよ」

冗談めいた美里さんの声。

春樹さんも仕事ぶりそのものは認めているようだった。

胸の奥がまた、ちくりとする。

嫌だな、私。仕事なのに。
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