高嶺の花も恋をしたい!
高野が会社に出てきたのは土曜日のことだった。
前日の夜、やっと既読になったメッセージに「ごめん、連絡できなくて。明日は実家から出勤する」と返信があった。
短いメッセージだけど、忘れられていなかったことに安堵した。ただこれだけのことに、涙が出そうなほど嬉しかった。
そして翌日の土曜日。
「今日、撮影があるのよ」
朝礼時に、山下さんが連絡事項として皆に伝えた。
「我が社のイメージモデルが来られるの」
「え! 吉倉京子さんですか?」
「そう。早苗から連絡があったの。いつもならどこかのスタジオを借りて撮影するそうなんだけど、今日はショールームで撮影するらしいのよ」
「わぁ……実物にお会いできるんですね!」
「楽しみ~!」
先輩方が浮足立っている。
高野のことで沈みがちな日々が続いていたけれど、大先輩だという女優さんにお会いできるなんて夢のようで、私も皆さんと同様少し舞い上がっていた。
間もなく早苗さんの先導で、吉倉さんがショールームに入ってこられた。後ろには撮影クルーが続いている。
「皆さんお疲れ様です! わぁ……そのユニフォーム懐かしい! 私がいた時と変わってないのね」
吉倉さんが、私たち受付に、気さくに声掛けをしてくださった。
「吉倉さんと同じユニフォームを着ているなんて、光栄です!」
いつも落ち着いた雰囲気の山下さんが興奮気味に答えている。その気持ちはよくわかる。
目を見張るような美貌に、女優オーラがすごい!
山下さんも私も、そのオーラに圧倒されていた。
「あら、ひょっとしてあなたが……」
なぜか私に目を留め、吉倉さんが話しかけてきた。
「え、あの……?」
「あなた、太一くんの同期よね?」
太一くんって、高野太一のこと? どうしてその名前が吉倉京子さんの口から出るの?
「気になってたのよ。一体どんな女性なのか」
「あ、あの……?」
その時だった。ショールームの入り口に高野が現れたのだ。
前日の夜、やっと既読になったメッセージに「ごめん、連絡できなくて。明日は実家から出勤する」と返信があった。
短いメッセージだけど、忘れられていなかったことに安堵した。ただこれだけのことに、涙が出そうなほど嬉しかった。
そして翌日の土曜日。
「今日、撮影があるのよ」
朝礼時に、山下さんが連絡事項として皆に伝えた。
「我が社のイメージモデルが来られるの」
「え! 吉倉京子さんですか?」
「そう。早苗から連絡があったの。いつもならどこかのスタジオを借りて撮影するそうなんだけど、今日はショールームで撮影するらしいのよ」
「わぁ……実物にお会いできるんですね!」
「楽しみ~!」
先輩方が浮足立っている。
高野のことで沈みがちな日々が続いていたけれど、大先輩だという女優さんにお会いできるなんて夢のようで、私も皆さんと同様少し舞い上がっていた。
間もなく早苗さんの先導で、吉倉さんがショールームに入ってこられた。後ろには撮影クルーが続いている。
「皆さんお疲れ様です! わぁ……そのユニフォーム懐かしい! 私がいた時と変わってないのね」
吉倉さんが、私たち受付に、気さくに声掛けをしてくださった。
「吉倉さんと同じユニフォームを着ているなんて、光栄です!」
いつも落ち着いた雰囲気の山下さんが興奮気味に答えている。その気持ちはよくわかる。
目を見張るような美貌に、女優オーラがすごい!
山下さんも私も、そのオーラに圧倒されていた。
「あら、ひょっとしてあなたが……」
なぜか私に目を留め、吉倉さんが話しかけてきた。
「え、あの……?」
「あなた、太一くんの同期よね?」
太一くんって、高野太一のこと? どうしてその名前が吉倉京子さんの口から出るの?
「気になってたのよ。一体どんな女性なのか」
「あ、あの……?」
その時だった。ショールームの入り口に高野が現れたのだ。