高嶺の花も恋をしたい!
 それから高野はマンションに帰ってこなくなった。
 
 ちゃんと連絡は受けていたし、大変な状況だということはわかっていたけれど、木曜日になって、高野が有休を取っていることを知り驚いた。

 それを知ったのはショールームでのこと。

 高野のクライアントが来ているのに、高野本人がいなかったのだ。

 もちろん高野の上司が代理を務め、打ち合わせ自体はスムーズに行われていたけれど、私は内心かなり動揺していた。

 軽いケガだと聞いていたのに、そんなに悪かったのかしら。

 でも、それを知る手立てはない。

 あのメッセージ以来一度も連絡がないのだ。それに、こちらから送ったメッセージは既読にすらならなかった。

 お母様の容体も気になるけど、やっぱり連絡をもらえないのは寂しかった。

 そうして私はまた落ち込む。

 やっぱり高野にとって私はセックス込みのただの同居人だったのだと。

 そのセックスも最近は用なしになっている。

 私は本当にここに住んでいていいのだろうか……。

 そう思いながら、高野のベッドで眠れない夜を過ごした。
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