高嶺の花も恋をしたい!
「俺も今週から忙しくなりそうだし、お互いに英気を養うためにも、息抜きは必要だ」
「……和歌山のプロジェクト、選ばれたんだってね」
「知っていたのか……ああ、生島に聞いたんだな」
「おめでとう。忙しくなりそうだね」
「たくさんいる設計士の一人だけどな。でもニュータウンはやってみたかったから、いい経験ができそうだ」

 どんどん差が開いていくな……。

 でも高野は院卒で工学博士。一級建築士の資格を持っているうえに登録まで済ませているのだ。自分とはキャリアがまったく違う。認められていて当然だ。

 それでも喜ばしい話のはずなのに、仕事の話を聞いてしまうと焦る自分がいる。私はまだ、スタートラインにも立たせてもらえないのだから。

 正直なところ、実技試験に一発合格できる自信はない。おそらく今回の実技はダメだろう。そんなんじゃ設計に異動なんてさせてもらえないよね……。

 そう思うと、理不尽だなーなんて思ったり、力不足なんだから仕方ないよなーと思ったり、落ち込むことばかりだ。

 でも、こうやってドライブに連れ出してくれている高野の気持ちを思うと嬉しい。

 とりあえず、告白してきた女性たちではなく、私をドライブの相棒に選んでくれたんだから、私も今日は楽しませてもらおう。

 大津で高速を下り、私たちは高野お勧めのハワイアン料理を堪能した。

 それから日吉大社を参拝することに。
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