高嶺の花も恋をしたい!
「花緒ちゃん、着いたよ。花緒ちゃーん?」
「……んー……ハッ! す、すみません、私寝ちゃって……」
「遠足の後に飲みに行ったようなものだから仕方ないよ。疲れただろう。それにもう遅いし。明日は休みだからゆっくり寝て疲れを取って」
「はい……ありがとうございます」
「うん、じゃあお疲れ様」
「お疲れさまでした。失礼します」

 タクシーを降りて、副社長を見送ってから自分が高野のマンションの前にいることに気づく。

 あれ、私、コンビニの場所を運転手さんに伝えただけなのに、どうしてここにいるのだろう?

 酔っぱらって寝ている間に、ここの住所を言ったのかしら……?

 不思議に思ったけれど、それしか理由が思い当たらなかったので、きっと自分でマンションの名前を言ってしまったのだろうと思った。

 部屋に入り、スマホを取り出すと、高野からメッセージが来ていることに気づく。
 
『悪い、やっぱり帰れなかった』

 本当なら今日は休前日で、久しぶりに高野と会えるはずだった。

 そうか、仕方ないよね……と思いつつも、会えないことを寂しく思う。

 高野に聞いてもらいたい話がいっぱいあった。なによりぎゅーっと抱きしめてもらって、高野を肌で感じたかった。
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