高嶺の花も恋をしたい!
「まあまあ、落ち着いて。私はすっきりしたから良かったわ。まだまだ丸高の御曹司は狙えそう。副社長だって、独身なんだから、誰が狙ったって問題ないし。せっかく夏成ハウスに入って、独身の御曹司が二人もいるんだから頑張らないとね!」

 言いたい放題言って、その三人組は給湯室を出て行った。

 彼女たちが落としていった爆弾の威力は凄かった。
 私をいじめるためだったなら大成功だ。
 
「どうして言ってくれなかったんだろう……」

 知らされていなかった事実に、思った以上に衝撃を受けていた。

 その日はそれから仕事にならず、ぼうっとしていた私に「顔色が悪いな。今日はもう上がっていいよ」と言ってくれた副社長の言葉をありがたく受けとり、帰宅することにした。
 
 帰り道、あの女性が言っていた言葉が何度も頭の中によみがえる。

『遊びの相手にそんなこと教える必要ないものね』

 確かにあの人の言っていることは正しい。遊びの関係なら……。

「あっ……そっか……」
 
 そもそも私たちの始まりはセフレだったじゃない。だから教えてもらえなくて当然だったんだ。

 でも、じゃあ今は?
 関係をあらためたいと言われ、ちゃんとお付き合いを始めて数ヶ月が経っている。

 にもかかわらず私は何も知らされていなかった。
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