高嶺の花も恋をしたい!
帰りの電車に揺られながらスマホを取り出し、丸高組について検索してみる。当然のことながら検索画面のトップにその名前が出てきた。
鎌倉時代から続く老舗建築会社。
神社仏閣・歴史的建築物の修繕・耐震補強。
少数精鋭の宮大工集団――。
就活中に見たホームページには、脈々と受け継がれてきた伝統技術が語られていた。
「すごい……こんなに歴史ある会社の御曹司だったんだ」
高野にこのバックグラウンドを話す義務はない。将来を約束した仲ではないのだから言わなかったのだろう。
でも、できることなら高野の口から教えて欲しかった。
結局、私ってそこまでの存在じゃなかったのかな。きっとそうなんだろう。
それなのに、私はいつの間にかこのままずっと高野と一緒にいられるのだと思っていた。
高野とこのまま夏成ハウスに勤めて、同僚として切磋琢磨し、いつかは――。
「こんにちは。あなたが高嶺花緒さんかしら」
高野のマンションにたどり着き、オートロックを解除しようとしたところで声を掛けられた。
ずっと考え事をしていて、この女性がエントランスホールにいたことに気づいていなかった。
意志の強そうな目に、私と変わらない長身。私より少し年齢が上だろうか。とてもきれいな人だ。
「……はい、あの……?」
初めて会う人だと思うけれど、どこかで見たことがあるような……。
鎌倉時代から続く老舗建築会社。
神社仏閣・歴史的建築物の修繕・耐震補強。
少数精鋭の宮大工集団――。
就活中に見たホームページには、脈々と受け継がれてきた伝統技術が語られていた。
「すごい……こんなに歴史ある会社の御曹司だったんだ」
高野にこのバックグラウンドを話す義務はない。将来を約束した仲ではないのだから言わなかったのだろう。
でも、できることなら高野の口から教えて欲しかった。
結局、私ってそこまでの存在じゃなかったのかな。きっとそうなんだろう。
それなのに、私はいつの間にかこのままずっと高野と一緒にいられるのだと思っていた。
高野とこのまま夏成ハウスに勤めて、同僚として切磋琢磨し、いつかは――。
「こんにちは。あなたが高嶺花緒さんかしら」
高野のマンションにたどり着き、オートロックを解除しようとしたところで声を掛けられた。
ずっと考え事をしていて、この女性がエントランスホールにいたことに気づいていなかった。
意志の強そうな目に、私と変わらない長身。私より少し年齢が上だろうか。とてもきれいな人だ。
「……はい、あの……?」
初めて会う人だと思うけれど、どこかで見たことがあるような……。