高嶺の花も恋をしたい!
 仕事を終えて、花緒に連絡する余裕もなく車に飛び乗ったから、花緒が今どこにいるのかもわからない。

 まずは花緒の上司である、副社長の夏崎翔多に電話を入れる。事実確認をしておかなければならないからだ。

「翔多? 聞きたいことがある」
「花緒ちゃんのことだろう? 大変な騒ぎになってるよ」
「花緒は今……?」
「顔色が悪かったから、定時にはなっていなかったけど帰らせたんだ。その直後、親父に呼び出されて、隠し撮りされた写真が拡散されていることを知った。念のため言っとくが、俺と花緒ちゃんは何でもないからな。副社長秘書として頑張ってくれてるけど」
「そんなことはわかってる。ずっと花緒を傍に置けるってのが腹立つけどな」
「お前……変わったなぁ。誰にも興味を示さなかったのに」

 これまでの俺は、建築以外のことに全く興味がなかった。恋愛ごとに割く時間が、煩わしいとさえ思っていたくらいだ。
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